9月入学・新学期のメリット・デメリットを紹介します。
この記事では、こんな疑問に答えます。
今年で10年目、現役の教員です。これまでの教員経験を交えて、9月入学・新学期のメリット・デメリットを解説しますね。
9月入学・新学期のメリット・デメリットを知っておけば、学校で今後の心配を減らすことができます。
メリット・デメリットを詳しく知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
なぜ、9月入学・9月新学期になるのかを簡単におさらい
2月末からの休校が延長が続き、9月からの入学・新学期が始まろうとしている。
4月、全国のほとんどの学校が、入学式や始業式を行いました。
しかし、新型コロナウイルス感染防止のため、2カ月以上の休校が続き、9月入学・新学期の案が出ています。
そもそも、本当に9月入学・新学期になるの?という方はこちらをご覧ください。
9月入学・9月新学期のメリットを解説<良いところ>
コロナの影響による教育格差をうめられる
9月からを新学期とすると、コロナで家庭学習となっていた単元も、学校できちんと初めから授業で学ぶことができます。
テレビの保護者アンケートでも、「休校中に学力に差がついているのではないか」と心配の声が上がっている。
国際的に主流な9月始業に合わせられる
留学をしやすくなったり、海外からの優秀な留学生を受け入れやすくなったりします。
これまで、9月始業の海外に留学するときは、半年間の空白の期間があり、学習効率が低下していた。
大学受験前のインフルエンザや体調不良の心配がなくなる
9月始業なら受験シーズンが6月、7月へと移行となります。
寒くて体調を崩しやすい時期を避けることができます。
受験前の体調管理は、本人や保護者に大きな緊張(ストレス)を生んでいた。
受験当日の積雪による交通不良の心配がなくなる
夏季の受験シーズンなら、受験日当日の雪による影響の心配がなくなります。
受験当日に雪が降ったら、気持ちははらはら。受験者は試験に集中したい。
教員は、夏休みの間に長い準備期間を取れる
教員の進学や進級に向けた準備期間が充実します。
これまでは怒涛のように忙しかった4月。
これまでの教員の準備期間は、春休み中のわずか1週間ほどでした。
9月入学・9月新学期のデメリットを解説<気になるところ>
9月入学への移行期間中に混乱が生じる
9月始業になった場合、学校での学習計画の大幅な変更や行事の見直しなどが行われ、学校現場は大きく混乱します。
これまで10月に修学旅行に行っていた学校は、準備時間がとてつもなく足りないため、時期の変更をする必要がでてくる。
9月の運動会も同様に、行事の見直しが必要となる。
休校措置の課題が無駄になる
休校措置中に、新学年の学習を進めている学校があります。
9月からもう一度学び直しになると、これまでの課題が無駄になる部分ができます。
小学1年生や2年生は、今、学校によっては家でアサガオやミニトマトを育てている。
9月からの学び直しになると、もう一度育てる必要が出てくる。
受験シーズンが夏になると、猛暑の心配がある
ここ近年、初夏でも猛暑日になるなど地球温暖化が進んでいます。暑さ対策の心配があります。
学校や教室によっては、クーラーが設置されていないことがある。
学校の暑さ対策は、まだ十分とは言えない。
来年度の受験シーズンがオリンピック・パラリンピックと重なる
オリンピック・パラリンピックが1年延期になることが予想されています。
受験当日の交通の不安、受験生の集中がそがれるなどの不安があります。
オリンピック・パラリンピックが受験生に影響が出ないか心配がある。
春の卒業式・入学式がなくなる
桜が満開の時期の実施ができなくなります。
今後、日本らしい桜が見られる時期の卒業式や入学式がなくなります。
桜が咲き誇る中で、卒業式や入学式を迎えたいという子どもや保護者はいる。
9月入学・9月新学期は良いの?悪いの?どっち?
9月入学・9月新学期は良い判断です。
4月始業のままだと、今年度はほとんどの行事が中止になり、授業ばかりの日が続きます。
夏休みの短縮、土曜日の出校、7時間目授業の実施など、時間的なゆとりがなくなります。
場合によっては、授業時数が足りないと、学習内容が大幅に縮小される形となります。
連休明けから再開した場合。
・運動会中止
・学芸会中止
・遠足中止
・社会科見学中止
・体力テスト中止
・学校公開中止
・夏休み縮減ここまでは決定。ほんと、授業だけにフォーカスする感じだなー。
行事無しなので、授業力で勝負だね!ちょくちょくレク入れていきましょうね。— サンソン@小学校教諭×レク・野外教育 (@oakleyfreak1) April 23, 2020
9月始業になったとして、今後、大きな問題は特にありません。
9月入学・9月新学期のメリット・デメリットを解説まとめ
9月入学・9月新学期を考えるには、いちばん大事にしたいことは、いかに「子どもたちのためになるか」です。
日本の学校の新学期は学校施行規則によって決められています。
学校施行規則
第五十九条
小学校の学年は、四月一日に始まり、翌年三月三十一日に終わる。
この決まりによって、明治19年(1889年)から4月入学・新学期になりました。
コロナの影響でこの決まりが今、変わろうとしています。
この変化が子どもたちのためになるのか。
今の大人たちが真剣に考えることができれば、次の世代の子どもたちが笑顔になれると信じています。